ルーマニアは2007年のEU加盟以来、長期にわたって経済成長が持続しています。
ここ数年ではEU域内での成長率が最も高い国として注目されています。
街並み・生活インフラ・教育水準なども見違えるほど整備され、かつての共産圏国家と言うイメージは払拭されつつあります。
※今年3月からの「シェンゲン協定」の条件変更に伴い、今後さらに成長してゆくことが期待されている
このような変化の中、本項ではルーマニアで生活する留学生に必要な情報をピックアップしてお伝えいたします。
※以下《2024年1月レート「1Lei=31円」で換算》で記載
欧州はここ数年、不動産価格(賃貸物件の家賃を含む)の上昇が続いています。
その影響でイギリス・ドイツ・フランスほどではありませんがルーマニアの家賃にも影響が出ています。
※値上がりが顕著なのはブカレスト・クルージュナポカ・コンスタンツァなどの主要都市
これまでは「1ベッドルーム:¥38,000程度」でしたが、
今後は同様の部屋で¥55,000程度を見込んでおいた方がよさそうです。
アパート一部屋の水光熱費は、月額で¥8,000~¥12,000程度です。
※契約内容によって冬場の「暖房費」が高額になることがあるので契約時に注意が必要
ルーマニアでの食費は以前ほど割安感がなくなってきました。
しかし、現在(2024年1月)でも自炊・外食いずれも日本での食費よりは多少安く済むと思います。
※買い物をする場所、食べるお店によって異なる
例えば、ルーマニア人にも人気の「LUCA」というベーカリーはブカレスト市内に複数店舗があります。
ここはいつも多くのお客様が列を作っているほど繁盛しているお店です。↓クリック↓
Luca, Bucharest, Strada Gabroveni 61 - Restaurant menu and reviews (restaurantguru.com)
LUCAでは¥100ほどで「焼きたての美味しそうな調理パン」が買えます。
ルーマニア国内「スーパーでの買い物」では野菜や果物が安く買えて美味しいです。
ビールやワインなどは日本より割安ですが、ミネラルウォーターは日本と同じか少し高いかもしれません。
このようにイギリスやドイツ・フランスなどの西欧各国とは比較にならないほど食費をセーブすることができます。
お米・味噌・醤油は「KJセンター(ブカレスト市内)」または、「ドラゴンロッシ」というちょっと郊外の中国商店街で買うことができます。
※最近、お米と醤油は市街の多くのスーパーで購入可能になりつつある
首都ブカレスト周辺の移動は「地下鉄」が便利で安価です。
一度の乗車でLei3(93円)、一日乗車券でLei8(248円)ですから日本の地下鉄よりずっと安く利用できます。
国内を異動する際の「鉄道料金」は、以前ほどではありませんが、現在でもルーマニアの交通費はとても安価です。(おおよそ日本の6割程度)
「学生割引」は現在90%のディスカウントです。(今後、変更になることもあります)
※オトペ二空港(ブカレストの国際空港)からブカレストの北セントラル駅までの列車は5Lei/¥155で所要時間約20分
※空港と市内を結ぶ地下鉄6号線が工事中、途中に「Tokyo駅」という名称の駅が誕生する予定
「タクシー料金」は「初乗り:Lei3(93円)」「以後、1Km毎:Lei3(93円)」ですから日本よりかなり割安です。
※地方(都市)により料金が多少異なります
ルーマニアの四季は日本と似ています。
首都ブカレストと東京では年間を通じてルーマニアが1℃~3℃低く、年間の総雨量が少ないので湿度も低いです。
夏場はカラッとして東京よりかなり過ごし易いですが、冬場の冷え込みは強く12月~2月は最低気温が氷点下になります。冬季は路面が凍ることもしばしばで積雪もあります。
↓下記のサイトで「ブカレストと東京の気候の違い」をご確認ください↓
ルーマニアの人々は日本人に対しておおよそ好意的であると感じます。
そのため日本人がルーマニアで暮らしていて不快な思いや不要なストレスを感じる機会は少ないのではないでしょうか。
最後に留学生の生活に大きな影響を及ぼす経済環境の変化について記します。
まず「インフレ」について、2020年のパンデミック前ルーマニアのインフレ率は3.5~4%程度だったものが2023年夏には15%を超える高インフレに見舞われました。
最近ようやく物価上昇も落ち着き始めました。(直近:2023年11月は6%台)しかし、この数値は「対前年同月比」なので2020年以前のような物価の安かった時代には戻ることがないのかもしれません。
日本人がルーマニアの物価を考えるとき、同時に考えなければならないのが「為替レート」です。
2021年から始まった「円安」の影響で私たち日本人は海外でお金を使う時に割高感を感じることが多くなっています。主要通貨に対してパンデミック以前と現在(2024年1月初旬)の「対円」の為替レート推移を主要通貨とルーマニアの通貨Lei(通貨コード:RON)で比較してみたいと思います。
米国ドル≒34%、オーストラリアドル≒33%、ユーロ≒33%、スイスフラン≒52%、イギリスポンド≒31%、そしてルーマニアは先進諸国よりも多少穏やかな変化で、Leiと日本円は≒28%ほどの円安となっています。
今後の「インフレ」そして「為替レート」は、いずれもルーマニアで支払う「学費」や「生活費」に直結します。
しかし、これらのことは留学期間を通して6年先まで予測することは難しい(不可能)と思います。
ですから、費用の計画については多少不利な方向へぶれても大丈夫なように「余裕を持った計画」が必要であると考えます。
※東欧「医学部」留学に関わるエージェントのWEBサイトでは、参考的に記載された「生活費」が現実より低い金額で記載されているケースが散見されます(渡航後「予算の見当違い」と言う事態に遭遇しないよう、事前の調査はしっかりと)
※パンデミック以降の「インフレ」と「為替変動:円安」が加味されていない
【参考サイト:お役立ちサイトのリンク】
↓留学生の生活に役立つ様々な価格(物価)が常にアップデートされるサイトです↓(記載数値はおおよそ正しいと感じます)
ルーマニアでの生活費。ルーマニアでの価格。2024年1月更新 (numbeo.com)
※Edge/Chromeなどブラウザ操作で「翻訳」を有効にすると日本語で参照できます